2025年の4月末に埼玉の北西部、秩父に再び向かう。前回、特に考えもなく検索サイトで近くのダムをランダムに探して、夕方にやうやうたどり着いたのとは対照的に、今度は行くぞと構えて訪れた。
東京では4月の初めにすでに桜の季節は終わり葉桜、ちょっと深い山をウロウロすると、うすい紫のフジが目立つような季節感であった。秩父の山奥、さらに山々の頂近くにはまだまだ満開の桜が残っていた。
東京という里に帰って思い出してみても、タイムマシンにのって2~3週間戻り、またその日のうちに現世に帰ってきたような不思議な体験となった。誰かのまとまりのよい長辺小説を読み終えたあとの不思議な、読後感がいまでも残る。
さて、予め「構えて」訪れたご神体はいかがであっただろうか。ご神体は相も変わらず巨大ではあるが、「日本で*位の高さ」という標語は何度も訂正されたような跡があった。
という話よりも、前回も今回もこの付近の心霊スポットが多いことが話題に上がる。それは大島てるや心霊マップのような、ボトムアップの民間伝承的なものや、或いは秩父の三社と呼ばれる神社など古くからの公の信仰のモノとしても多いが、やはり本能のさせるところであるのは、運転しているだけでもわかる。つまりひとことでいうと、里から近い割に、山が深い場所である。
また、三峰神社の眷属信仰、すなわちヤマイヌをみるに宮崎駿の映画群の設定を思い出さないわけにはいかない。例えば「もののけ姫」にでてくるモロ一族はもちろんであるが、トトロの元設定などそのような物の怪の話を思い出す。
その設定もそのまま、深い里山なのであろうかしかし原生林ではないそのバランスが何百年単位前からのちょうどいい深さの山を思い浮かべさせる。
キモダメシとか、心霊現象とかというモノは、実体のないものなので実に面白い。ハラリもちらりといったように、人間は幻想を抱けるからこそここまで発展したというはなしも理解できる。基本的に分布が人間の分布と被っているが、人口密度とそのままかぶっているわけでもないことである。
【絵;人口密度と心スポの関係】
オイヌサマが駆け回る山に、人間がコンクリートの塊を作っていいのか?
伝説上の人物、ヤマトタケルが左手に天野村雲≒草那藝剣(くさなぎのつるぎ) を持つ。東国征討を行った。宮崎駿のアシタカとはこの人物をモデルにしているのだろうか?
伊勢の神宮で「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」を倭姫(ヤマトヒメ)から授けられ東方へ。道中、今の静岡県焼津で、敵から火攻めを受けるも天叢雲剣を一振りすると火を消し去り、難を逃れます。このエピソードからのちに、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と呼ばれる様になったと言われています。因みにそもそもの天叢雲剣とは、スサノオがヤマタノオロチ退治の際に手に入れた剣で、姉の大御神アマテラスに献上します。それから天孫降臨神話のニニギノミコトに持たせ地上へ。そして、伊勢の神宮に祀られる事になった伝承があります。
浦山ダム基本情報;荒川水系・浦山川、重力式コンクリートダム(着手1972、竣工1998)、堤高156m, 堤頂長372m, 容積173万㎥、総貯水量5800万㎥、多目的ダム(洪水調整、水量安定、水道、発電)
重力式コンクリートダムとしては、先出の奥只見ダムに次いで国内2位となる堤高となる。
荒川源流とされる河川始点は秩父の西にあることからも明らかなように、荒川水系の4つの大きなダムが秩父に集中している。特に二瀬(荒川)・浦山・滝沢をまとめて荒川上流ダム群と呼ぶらしい。首都圏を縦断する重要な水系であるりながら、その名の通り「荒ぶる」川であり、早くから数々の水害対策がなされてきた。
時系列としては、二瀬ダム(1961)が昭和の初期にすでに竣工しており、他の3ダムは平成の時代に相次いで完成